僕の原点と壺ほるの歩み(3)

コロナ禍で見つけた「壺ほる」の存在意義

ようやくこれからだと思っていた矢先、世界中を混乱に陥れたのがコロナ禍でした。

「3つの密」という言葉が生まれ、飲食店の利用自粛が求められる中で、心からお客様をお迎えできない日々は本当につらかった。

飲食店の存在意義を問われ、自分自身の存在価値を否定されたような気持ちでした。

幸い、協力金のおかげで店は生き残ることができましたが、取引先の肉屋さんには何の補償もない状況。

そこで、行き場を失った肉を定価で買い取り、お弁当として医療従事者の方々へお届けする活動を始めました

関東中央病院の入口にて

■当時の僕のInstagram投稿

当時、命がけでコロナ患者に対応する彼らのために、飲食店である僕にできることは、少しでも心休まる食事を提供することだと考え、簡単なお手紙を添えました。

手紙には、協力金の一部を使って弁当を用意したこと、そして「食事をしている間が少しでも心休まる時間になれば幸いです」という感謝の気持ちを綴りました。

お弁当と一緒にお届けしたお手紙
差し入れしたローストビーフ弁当
1回に作れるのは30個が限界でした

一度にお届けできるお弁当の数は限りがありましたが、毎週火曜日に30個程度ずつお届けし、最終的には約500個のお弁当を関東中央病院へ差し入れました

寄せ書きや温かいメッセージをいただくたびに、医療現場の厳しい状況と、それでもなお奮闘する方々への感謝の思いでいっぱいになりました。

たくさん寄せ書きをいただきました

「地域にどれだけ貢献できているか不安になる」
という言葉に胸が締め付けられました
「医療現場では辛いと愚痴すらこぼせない」
それくらい大変な時期でした

コロナ禍は、「壺ほる」の存在価値を改めて問い直すきっかけにもなったんです。

「壺ほる」という焼肉屋がなぜ存在するのか、常に自問自答しながら、「選ばれる店」になるための「魅力作り」に一層取り組むようになりました。

次は新たなステージへ!2号店オープン、そしてこれからについてのお話です。