✨干支が一周しました。壺ほるは12歳になりました。
(壺ほる世田谷桜本店 12周年のご挨拶)
2025年12月12日。
壺ほる世田谷桜本店は、おかげさまで オープンから丸12年 を迎えます。
干支が一周するほどの月日が流れました。
こうして無事にこの日を迎えられることは、決して当たり前ではありません。
この12年間を思い返すと、胸がいっぱいになります。
■変わらずここにいられるという奇跡
12年という歳月の中で、
お客様の暮らしも、街の景色も、私自身も、スタッフも、
本当にいろいろな変化がありました。
昔は小さかったお子さんが、
今では一緒に焼肉を楽しめる年齢になっていたり。
高校生だった常連さんが、社会人になって後輩を連れて来てくれたり。
「ただの焼肉屋」と「人生の景色の一部」の境界が、
この12年で曖昧になっていった気がしています。
同じ場所で、こうしてお客様を迎え続けられていること。
それがどれほど幸せなことか、今日ほど強く感じた日はありません。
■“美味しく食べてもらう”を大切にしてきた12年
時代とともに、食の価値観は本当に大きく変わりました。
美味しいものは家でも食べられる時代。
だからこそ私たちはずっと
「お客様は美味しいものを食べたいのではなく、美味しく食べたい」
という想いを中心に置いてきました。
スタッフが生み出すあたたかさ。
お客様を想って動く小さな一手間。
その積み重ねが “壺ほるの味” だと思っています。
最近では「接客が素晴らしくてまた来ました」という声をいただくことも増え、
それがどれだけ励みになっているか、言葉では言い切れません。
■忘れられない、あのコロナ禍の日々
12年の中で一番忘れられない出来事があります。
あの、街の灯りが一斉に弱まり、
人の声が消えたように感じたコロナ禍の頃です。
営業も思うようにできず、
いつまで店を続けられるかも分からない不安な日々。
でも、そんな時だからこそ
「壺ほるができることをやろう」と決めました。
医療従事者の皆様へ、
そして地域で支えてくれている方々へ、
少しでも力になれればと思い、
お弁当を作ってお届けし続けました。
正直に言えば、余裕があったわけではありませんでした。
それでも手を止めなかったのは、
壺ほるを支えてくれた納品業者さんや街への恩返しをしたかったからです。
配達先でいただいた
「ありがとう」「頑張ってくださいね」
その言葉に、どれだけ救われたか分かりません。
いただいた寄せ書きは今でも大切に掲示させていただいています。
あの日々が、壺ほるを、そして私自身を大きく変えました。
“店はお客さんに育ててもらうものだ”
その意味を、あのとき初めて深く理解した気がします。
■今の壺ほるがあるのは、すべて皆様のおかげです
この12年間、順風満帆だったわけではありません。
売上が落ち込んだ時期も、
人手不足に苦しんだ時期も、
心が折れそうになった夜もありました。
でも、そのたびに支えてくれたのはお客様でした。
「また来ますね」
「ここが好きなんです」
「頑張ってください」
その一言ひとことが、背中を押してくれました。
壺ほるは、お客様に育てていただいたお店です。
これは、胸を張って言える事実です。
■ここからの12年へ
これからの壺ほるは、
もっと地域にとって必要とされる店を目指します。
・ここに来ると元気になれる
・家族の記念日に真っ先に思い浮かぶ
・誰かを連れてきたくなる
そんな存在でありたい。
そして、現スタッフも歴代スタッフも、
壺ほるを支えてくれたみんなの努力を未来の壺ほるにつなげていきます。
まだまだ、壺ほるはこれからです。
■最後に
12年間、本当にありがとうございました。
振り返るほどに胸が熱くなり、
お客様とスタッフへの感謝の気持ちは増すばかりです。
ここからも、どうか一緒に壺ほるを育ててください。
そして、これからも変わらず美味しく楽しく、
大切な人と過ごす時間を壺ほるで味わっていただければ幸いです。
心からの感謝を込めて。
また店でお会いできるのを楽しみにしています。
2025年12月12日
世田谷家系焼肉 壺ほる
店主 奥野和博

